真選組

□嵐 来襲 3
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その日土方は非番を貰い、もう少しで日の暮れる歌舞伎町へ足早に向かっていた。
ようやく帰ったのだ。京から来襲した嵐共が・・・。
彼らが滞在していた一週間はそれはそれは大変だった。
日中は、土方が市内巡回に行くとなると山南、伊東、斎藤がもれなくついて来てギャーギャー喚きたてるわ、
屯所にいても目を離すと沖田と斎藤が死闘を始めるから絶えず2人を監視しなければいけないわ、夜は夜で原田に酒に付き合わされるわ、で、
ろくすっぽ自分の仕事も出来ず、そのしわ寄せで勿論電話を掛ける様なプライベートな時間さえあるわけもなく
(これが狙いだとは気付いていない模様)、その間、全く恋人との接触が出来なかった。
これまでだって、一週間どころか仕事が立て込んでてもっと長い期間会えなかった事もあるのだが、
流石にその時は電話やメールぐらいはしていたし、今回は精神的ストレスが甚大だ。土方は周りが心配するほど疲れていた。
あまりの土方のその疲労困憊ぶりに近藤がかなり心配して、彼らが帰った翌日に非番をくれたのだが、
いっそ失神した方がマシか?と思うほどの書類の山が出来上がっていたので、流石にこれを無視するわけにもいかず、
今日・明日提出期限の書類だけ山崎に手伝わせて夕方になってようやく屯所を出ることができたのだ。
これまで本人には言ったことがないが、実は土方は銀時のことがかなり好きだ。好きどころでは言い表せないぐらい愛しちゃってるわけだ。
彼といると安らげちゃったりするから今、こうして歌舞伎町に向かっている。
両手にはちゃんと大江戸スーパーで買った大量の食料を携えて・・・。
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