真選組

□嵐 来襲 3
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結局、この後はどうにか近藤が納めて、斎藤はそのまま食客として試衛館に居つくことになる。
この後、幕府から廃刀令が出て剣を奪われた彼らは、しかし運良く真選組の創設に立ち会い隊士となった。
しかし、組創設後まもなく京都に分署ができることになり、斎藤はそちらに出向となってしまう。
彼は土方を別れる事に不満一杯だった。
だからと言って命令無視をし、真選組にいれなくなってしまうのは本末転倒だ。
嫌々だが、本当に滅茶苦茶不本意だったが、年も近く剣の実力も伯仲しており、
土方を巡って天敵であった沖田に彼の事をくれぐれも頼んで京都に旅立ったのだ。
なのに!!
土方に恋人が出来たという。しかも相手は真選組の隊士どころか元攘夷志士だというのだ。
監察の島田からその情報を得たときには、本気で失神してしまうかと思った。
その男を一目見て、彼に相応しい男か確認しなければいけない。
(どんな男であれ相応しいと認めるはずもないことには気付いていない)
そう思い、同じく騒ぎ立てている山南と伊東を唆し江戸に向かわせる事にして自分はその護衛で同道する事にした。
そして見た土方の恋人。
まるで死んだ魚のような眼をした、何事にもやる気のなさそうなだらしない男。
しかも仕事も万事屋などと言いながら、ほとんど仕事もないプー太郎というのが実情だ。
あんな男を認めることなど到底出来るわけもなく、殺すつもりで斬りつけたら思いの他腕が立ち
自分で始末できなかったのがまた腹立ちに拍車を掛けた。
あの男だけは絶対自分が片付ける!!
だが江戸に滞在中に何度か仕掛けたが、そのどれもあしらわれてしまったのだ。
結局、一週間の滞在期間では勝負をつけることは出来ず、斎藤は臍を噛みながら帰京したのだった。
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