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□甘い言葉と真っ赤な貴方
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「甘い言葉・・・?」


忍足にそう言われた。
そういえば亮に一度も言われたことが無い。
少し興味がある。

昼休み、亮と2人で昼食を取る。
そんな中私は忍足から言われた通りに亮に問う。


「ねえ、甘い言葉言ってよ。」

「は?」

「だから、甘い言葉。」


亮は口をぽかんと開けたままこちらを見つめる。


「甘い言葉って言ってもよ。」


意識を取り戻したのか亮はほのかに頬を赤く染め言う。


「いいから。」

「でもよ。」

「・・・じゃあいいわ。」


そこで引き下がるのも一種の手。
そしてお決まりの台詞。


「忍足にでも言ってもらうから。」


内心笑うのを堪えながら立ち上がる。


「待てよ。」


ぐい、と手を掴まれバランスを崩す。
必然的に私は亮の腕の中。


「好きだ。俺はお前しかいらない。」


耳元で囁かれた甘い言葉。
掠れているような低音ボイス。


「顔、赤いぜ。」

「っ亮も、でしょ!」


その意地悪そうな顔も私は大好きです。
きっと、世界中の誰よりも。



甘い言葉と真っ赤な貴方
(お前のためだったら)
(俺は何時でも言ってやるよ)
(あら?さっきとは話が違うわよ)

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