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□帰ってきた貴方は小さな小さな箱だった
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貴方が戦場へ行ってから2ヶ月が経ちました。
日本は降伏。
戦争は終わり少しずつ元に戻っています。
只、貴方が帰ってこない。



「若・・・。」



そんな声は風に呑まれて消える。
もう何も望まない。
もう一度貴方の笑顔を見せてください。

どんな姿で帰ってきても構わない。
帰ってきて・・・若。



------行ってくる
------行ってらっしゃい



最後に交わした言葉。
笑顔が今でも頭にこびり付いている。



------気をつけて
------あぁ、じゃあな



互いに言えぬ感情。
胸に留めて私は笑顔で見送りました。
本当は泣き付きたかった。
"愛してる"と何度も言いたかった。
自然と流れる涙。


そして、扉を叩く音。
貴方だったらそのまま入ってくることでしょう。



「おかえり、若。」




(私は小さな箱に微笑んだ)
(おかえり、)
(お疲れ様)

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