REBORN!

日付がかわる時
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ぽかぽかと暖かい日差し。
開け放たれた窓から時折、風が吹く。

「ヒバリさん、ヒバリさん。」

「ん、なに?」


2人は今、応接室に居た。向かい合うように綱吉を膝に乗せたまま、雲雀は返事を返す。声音は少し眠そうだった。


「俺にできることは何でも言ってくださいね?」

「僕の誕生日を有効に活用してるじゃない。こうやって、綱吉を抱きしめてさ。このまま昼寝でもしようか?」

「………そんなこと」


誕生日じゃなくたって、と恥ずかしそうに綱吉は答える。
そうは言っても、雲雀は綱吉の気持ちだけでも満足だった。ケーキだって用意してもらい、恋人からの可愛い発言。
柄にもなく、贅沢だと思っていた。


「……これだけで満足だなんて、それじゃ、俺がいつも愛情を向けてないみたいじゃないですか…。」

「なんでそうなるの、ばか綱吉。」

「な、失礼ですよ!」

ぎゅっと雲雀に抱きつき、文句を言う。雲雀は苦笑し、栗色の髪を指に絡めながら優しく頭を撫でた。


「……今日はいいことが沢山あったな、って思う時ある?」



唐突な質問。
意図が分からず、綱吉は雲雀の表情を窺った。構わず、雲雀は続けた。


「それって、何の変哲も無い日常に感じることでしょ?特別な日には、あっても不思議じゃないから簡単に片付けてしまうけど。」

「……つまり、ヒバリさんにとって誕生日は特別な日じゃないから、満足感も違う、ってことですか?」

「そ。ただの国民の休日に綱吉が僕を祝おうとしてくれた。十分いいことがあったでしょ。」


嘘ではない。それは、雲雀の表情とか声音、雰囲気とかで分かった。
だからこそ、綱吉は悲しかった。
ソレが表情に出ていたのか、雲雀がどうしたの、と無言で問いかけくる。


「……っ、今日は特別な日なんです!」

「……、つな、よし?」

思わず、雲雀は瞠目した。


「ヒバリさんが生まれた日。あなたがこの世に生を受けなかったら、俺はヒバリさんを好きになれなかった。

だから、生まれてきてくれて、ありがとうを伝えたいんです!」


言葉が終わると同時に、しんと部屋は静まりかえった。
せっかくの日に、やってしまったと綱吉は俯く。雲雀の無言が更に不安にさせた。


「………うん。」

へっと、綱吉は顔を上げた。目の前には穏やかに笑う雲雀がいた。


「特別な日だよ。君が特別にしてくれるなら。」

「……………。」


しばらく沈黙したあと、綱吉は改めて「お誕生日おめでとうございます。」を伝えた。


「たくさん我が侭言うよ。無理難題だってね。」

「……が、がんばります…。」





まずは、キスが欲しいな。


それから、僕をたくさん愛して。

僕だけを考えて。


日付が変わるとき、






「愛してる」の言葉と

君からの甘いキスをちょうだい



END


雲雀さん、お誕生日おめでとうございます。←おそ。

いつまでも、ツー君とお幸せに!!僕はソレをいつも覗いています。じゃなかった。

見守っています!


H21.5.13


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