REBORN!

平等欲求
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やってしまった。

綱吉は自分のとった行動に、心底後悔した。



「……綱吉」


どういうつもりだ。

言葉にせずとも、鋭い視線が問い詰めてくる。



「………」


「僕とするのは嫌ってこと?」



違う。

綱吉はそう言おうとしたが、言葉がうまくでてこなかった。

なので、必死に首を横へ振る。



「だったら、どうして、辛そうだったの」



雲雀は綱吉をいつものように押し倒した。だが、綱吉の顔が辛そうに歪んだのだ。







「どうして拒んだの」


嫌われた?
そんな不安に耐えられず、雲雀は綱吉の上からどこうとした。



「っ、つなよし…?」




震える小さな手が、しっかりと雲雀の袖を握っている。

そっと握り返してやると、綱吉は涙をぼろぼろとこぼした。



「−すきっ、だいすき、なんで、す」




漆黒の瞳が驚きで見開かれた。

綱吉が、恥ずかしがって滅多に言わない言葉を、今、必死に伝えようとしている。




「…不安なんです…!ヒバリさんは、俺で性欲処理をしたいだけなのかもって」




日常化しだした情事。

雲雀がもとめているのは、心か体か。



体だけだったらと綱吉は不安だった。






綱吉の言葉に、雲雀はきゅっと胸が締め付けられるような感覚がした。

愛しい。愛しい。

なのに。



「ごめん、綱吉」


ぎゅうっと力一杯、細身の体を抱きしめた。

想いが少しでも綱吉に伝われと願いながら。



「愛してるなんて言葉じゃ足りないくらい、君が大事だよ」


「ヒバリさん…?」


「だから、すぐに綱吉の全てが欲しくなる」


笑顔や泣き顔。言葉に行動。

どれも、雲雀の欲求を募らせるものだ。



「君が僕をおかしくさせるのもいけない」


「な、なんですか、ソレ…」



綱吉は思わず笑ってしまった。

すると、むっと雲雀が拗ねたように顔をしかめる。



「君は僕を振り回しすぎだ」


「…それって、すごいことですよね?」


「うん。でも、不公平じゃない?」


綱吉は首をかしげた。

何が不公平なのだろうかと。



「僕の全ては君のモノでしょ。だったら、君も頂戴」




綱吉の全てを





END



H21.9.12




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