REBORN!

黒猫幸運
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黒猫は不吉のしるし?

ううん。

それは誤解





黒猫幸運







「ヒバリさんって、黒猫みたいです」


「……いきなり何なの」



応接室で、いつものように2人きりでお茶をしていた途中。

綱吉が唐突に言った言葉。


「なんでよりにもよって黒なの」


不吉ではないか。

僕がそう言えば、きょとんと綱吉は不思議そうな顔をした。



「黒猫は幸運の使者なんですよ?」


どこが不吉なんですか、と猫に失礼だろ的な言い草をされた。

綱吉の言い分も間違っていないのはわかる。


「たしか、ヨーロッパの方では幸運だったね」


「そうです!自分の方に黒猫が歩いてやってくるのは幸運の印なんです」


その時に、猫を撫でながら願い事を唱えると、きっと叶うとされているんですよ!


そう力説する綱吉は真剣そのものだった。


「信じることは大事だと思うよ?」


暗に、僕は迷信だと思うと伝えれば、綱吉は口を尖らせた。

可愛いな、と笑っていると、小さな手が僕の頭に触れた。

何をするのかと思えば、そのまま撫で始めた。


「………綱吉、僕は猫じゃないよ」


「ヒバリさん、気をつけてくださいね?尻尾に近い方を撫でると、幸運が逃げちゃいますよ」


だから頭を撫でるんです。


僕をシカトしながら、いまだに頭を撫でている。
それはそれで悪くないので、されるがままになった。


「綱吉は何か願い事でもあるの?」


「人間ですから。たーくさんありますよ」



新しいゲームが欲しい。
勉強なんてしたくない。
旅行に行きたい-----


尽きることなくでてくる願い。


「たくさんあるけど、一番は、ヒバリさんの傍に居れることです」


叶えてくれますか?と不安そうに琥珀色の瞳が揺れる。

思いがけない言葉に、息が詰まった。


この子はどこまで僕を落とす気だ?


「いいね、その願い」



叶えてあげるよ、がね




END?

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