REBORN!
□黒猫幸運
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黒猫は不吉のしるし?
ううん。
それは誤解
* 黒猫幸運 *
「ヒバリさんって、黒猫みたいです」
「……いきなり何なの」
応接室で、いつものように2人きりでお茶をしていた途中。
綱吉が唐突に言った言葉。
「なんでよりにもよって黒なの」
不吉ではないか。
僕がそう言えば、きょとんと綱吉は不思議そうな顔をした。
「黒猫は幸運の使者なんですよ?」
どこが不吉なんですか、と猫に失礼だろ的な言い草をされた。
綱吉の言い分も間違っていないのはわかる。
「たしか、ヨーロッパの方では幸運だったね」
「そうです!自分の方に黒猫が歩いてやってくるのは幸運の印なんです」
その時に、猫を撫でながら願い事を唱えると、きっと叶うとされているんですよ!
そう力説する綱吉は真剣そのものだった。
「信じることは大事だと思うよ?」
暗に、僕は迷信だと思うと伝えれば、綱吉は口を尖らせた。
可愛いな、と笑っていると、小さな手が僕の頭に触れた。
何をするのかと思えば、そのまま撫で始めた。
「………綱吉、僕は猫じゃないよ」
「ヒバリさん、気をつけてくださいね?尻尾に近い方を撫でると、幸運が逃げちゃいますよ」
だから頭を撫でるんです。
僕をシカトしながら、いまだに頭を撫でている。
それはそれで悪くないので、されるがままになった。
「綱吉は何か願い事でもあるの?」
「人間ですから。たーくさんありますよ」
新しいゲームが欲しい。
勉強なんてしたくない。
旅行に行きたい-----
尽きることなくでてくる願い。
「たくさんあるけど、一番は、ヒバリさんの傍に居れることです」
叶えてくれますか?と不安そうに琥珀色の瞳が揺れる。
思いがけない言葉に、息が詰まった。
この子はどこまで僕を落とす気だ?
「いいね、その願い」
叶えてあげるよ、僕がね
END?
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