REBORN!

時に近づけ
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永遠なんて無い。

分かっていた。

それでも

願っていた---…


時に近づけ





コンと窓を叩く音がした。
幼なじみの機嫌を損ねないように、急いで窓を開ける。


「こんばんは、ヒバリさん」



綱吉は毎晩こうして雲雀と顔を合わせては、他愛も無い話をする。
隣同士に住んでおり、都合良く、互いの部屋が向かい合わせなのだ。


「ねぇ、そっち行っていい?」

「どーぞ。あ、でも、汚いですよ」

「知ってるよ」


綱吉をからかいながら雲雀は部屋の中へと入ってきた。
そして、ふと違和感を感じたのだ。


「………。」

「ヒバリさーん。どうしたんですか?」

立ったまま動かない雲雀の目の前を、小さな手でひらひらと振る。
それでようやく雲雀は瞬きを繰り返し、なんでもないと応えた。







「綱吉、眠いの?」

雲雀の言葉に綱吉は首を横に振った。

「嘘」

さきほどから言葉が途切れている。
誰が見ても睡魔と闘っているようにしか見えない。


「まだ、…居てください」


僕は帰るよ。
そう雲雀が言おうとしたのを見計らったように、綱吉は雲雀の袖を引いた。


どうしたのだろうか。
嬉しいのだが、さきほど感じた違和感もあってか、少し不安にもなる。


「………、今日はこっちに泊まってもいいかい?」


ぎゅっと袖を握る手が少し緩んだ。
それを肯定と受け取って、雲雀はとりあえず着替えてくることにした。








雲雀の腕に抱かれ、綱吉は規則正しい寝息をたてていた。
安心したように眠るその姿に愛しさが増す。

起こさないように、優しく髪を撫でた。


「つなよし…、何を隠してるの…?」


眠たくなると甘えてくるのはいつものことだ。
それでも、今日は何かが違った。

琥珀色の瞳に映っていたのは……?


警鐘が鳴っている。
大げさなのかもしれない。それでも、自分にとって良くないことが起こりそうな予感だった。


それを振り払うように、綱吉を強く抱きしめた。


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