FF小説
□魂、命、イノチ II
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そして少年は嬉々として言った。
「―――――ぃ―、」
『早く、父さんに会いたいな〜…』
「…お〜…。……フィロ―――?」
『俺も、会いたいな……彼奴等に―。』
『会えたらどうする?俺はねぇ〜…「――ぃったら〜…!」
「―――…俺は―――――…」
「セフィローーース!!!!!」
ビックリして跳ね起きたら、頭を思いっきりぶつけた。
「「〜〜〜〜!!!」」
両者共に声にならない叫びを辺りに響かせた。
頭をぶつける直前に見えた顔は、確か。
「〜…。…ティーダ?」
「よっ、よう、セフィロス…。」
痛そうにおでこを押さえていたが、自分も同じ格好をしているのに気づいた。
「…大丈夫か。すまない、大声で呼ぶから、驚いた…。」
「いや、こっちこそ…。一人でこんなとこで気持ちよさ気にして珍しいな〜って思ってさ。」
額が少し赤くなっていた。きっと、自分のも赤くなっているのだろう。久しぶりに顔をあわせたのに、お互いにうっすら涙目だ。笑える。
そういえば、と気になって、胡座をかいたまま訊ねる。
「…お前、何でココに居るんだ?」
「べ…、別に?え〜…まぁ、任務のサボりッスよ…。」
ティーダの目は明後日の方向に向いていた。
「…フッ……。“嘘”。だろう?」
ティーダの赤くなった額から頬に手を滑らせると、バツの悪そうに、照れながら上目づかいで見て来た。
「じゃ、そう言うアンタは?」
少しムキになって聞いてきた。
「俺か?ガイアに疲れてしまってな。」
笑って答えてやった。
「はい“嘘”っ!!っしょ?」
自信満々に指差して来たので、とりあえず、失礼極まりないその指を下ろさせ、穏やかな笑みを追加させて言ってやった。もちろん、わざと。
「“嘘”。…ティーダに会いに、かな。」
「〜〜〜〜!!!ズルいッス!!!!」
ティーダは顔を真っ赤にして言った。その反動で頬に添えていた手を離してしまったが、予想通りの反応に思わずニヤニヤしてしまっていた。
「ほ、ホントはサボりだろ!!」
またしても指差して来たティーダを宥めるべく、セフィロスは手を引いた。