銀魂小説

□鬼と絡繰の気紛れ
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ちなみに、高たまという、かなりマイナーなCP…。(高銀前提で高たま)
ギャグ(?)。友達からのリクです。





 空は快晴。風は程よく、とても快適な過ごしやすい日だった。
 お江戸新宿区歌舞伎町の、とある路地裏の一角。近頃、一階の「スナックお登勢」で働き始めたたまは、「食材を買って来るように」という、お登勢のお使いから帰ってくる途中であった。
『そこを退いて下さい。』
「…銀時は?」
 訊ね方自体はあまりきつく感じないが、眼光が鋭い。ぶっちゃけ、かなり恐い。
 たまの前に立ちはだかっているのは、鬼兵隊総督、高杉晋助である。
 店の開店時間に間に合わないと判断したたまは、近道しようとして、この路地裏に入ったのだが、万事屋に、というか、銀時に会いに来た高杉に捕まってしまったのだ。‥‥‥そして、今の状況に至る。
『そんな事をおっしゃられても、私には判りません。』
「そんな事ぁねぇだろ。お前ぇ、下の店で働いてんだろ?」
『銀時様の万事屋には、借金を取り立てにしか行かないので。大方、どこかでフラフラとしているか、部屋でゴロゴロとジャンプでも読んでいるかと思われます』
「………………(…なんだ、そりゃぁ)」
 睨み合っているんだか、見詰め合っているんだか、よく判らないこの状況。
「…まぁいい。おい、案内しろ」
『?どこまでですか?』
「…“万事屋銀ちゃん”」
ぶっきらぼうに答えて、たまの後に付いて行こうと思い、
『…………』
「…………(?)」
 視線を感じて動きを止めた。じ〜っと見詰められて、なんか妙な気分。
「…ンだぁ?」
『…貴女、』
「いや、俺、女じゃねぇから」
『確か、指名手配者、鬼兵隊総督“高杉晋助”ですか?』
「無視かオイ」
 貴女って、女の人に言う言葉なんだけど、たまさん。
『すいません。女物の着物を着ていたもので。』
「………(明らかに判んだろ…!)。あぁ、確かにそうだが?」
 何故、そんな事を確めるのかと、たまを見た。

「お前ェ、大通堂々と歩くつもりか?」
 ふと、後ろから声がした。そこに居たのは、高杉がこれから向かおうとしていた、万事屋銀ちゃんのオーナー。高杉が会いに行こうとしていた、坂田銀時だった。



『…銀時様、助けて下さい。この人先程から私の邪魔ん「………うるせーぞ、このポンコツ」

「……………(゚ロ゚)」

 ───銀時は今のこの状況を把握しきれず、呆然と立ち尽くしていた。
 たまの余談を中断させるために口を塞ごうと高杉が思ったのは事実だが、こんなカタチで塞ぐつもりでは───。“こんなカタチ”──口で塞ぐカタチ《キス》で塞ぐつも
りなんて──。

「……ハッΣ(゜ロ゜;‥‥‥なっ、おまっ!高杉テメッ!たまに何して『バキッ』むがぁっ!」
 やっと状況が整理出来たのか、銀時はさっきの高杉の行動にびっくりし、発言しようとしたところ、たまにおもっくそ顔面を殴られた。───正確には、高杉の頭を殴ろうとしたたまの手は、高杉にヒョロリと避けられ銀時の顔面に当たった訳だが。
『あ、すみません銀時様。大丈夫、では無さそうなので、新八様と神楽様をお呼びしまふ「うるせーって言ってんだろ。呼ぶんじゃねぇ。もっかい口で塞がれてぇのか」
 今度はちゃんと手で塞いだ。
『…貴女、「だから女じゃねぇって。『──キスm「違ぇよ。」


「……………」

『……………。あの』

「‥‥‥あ?」



『……キスとはそんなに気持ちいいものでしょうか?』
「…………;」
 ───今の間で、そんなことを言い出すとは。もうそろそろ帰らせろとか無いのか。しかし、相手はカラクリ。キスがどういうものなのか、キスの仕方すら知らないのは、まぁわかる。───意味くらいは知ってそうなものだが。
「なんだ、興味有んのか」
『知らないだけです』
「…そぅ。じゃあ、教えてやろうか‥‥‥?(カラクリにこんなこと教えてやっても、意味なんて──…)」
 高杉はたまの肩を軽く押さえつけて、(※ちなみにこの時点で銀時はまだ気絶中。高杉のささやかな優しさにより、壁に寄りかかっている状態。)たまの唇に自分のそれをあわせた。













 銀時が気付いた時には、高杉の姿はもう無く、ちょっと複雑な表情をしながら自分の前にしゃがんで、空を見上げていたたまの姿があった。








   おまけ↓



 ある路地裏の一角。気分が良くないのか、少しよろめきながら歩く高杉の姿。



「…っうっ、く‥‥‥オイル…っ…」










終。
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