FF小説
□4月イッピーのオオウソ月!
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その青年は、碧い風のように駆け抜ける。激しく目的地を変え、時には緩やかに、辺りを確かめながら。
時を少し遡り、月の渓谷。10人の調和の戦士達は、二手に別れて行動していた。こちらのパーティーには、フリオニール・セシル・バッツ・スコール・ティーダの5人がいる。
何故かイミテーションの数が少ない日で、昼食の後は休憩時間と化していた。
「俺は〜、フリオのこと、ちょっと好きじゃないかもッスねぇ」
「……俺も、ほんの少し、嫌いだな」
「何だよ2人して〜。俺だって、2人のこと微塵も好きじゃないんだからな!」
そんな一時の平和もとい、暇な時間。何やら笑顔で「嫌い」と言い合っているフリオニールとスコールとティーダの3人。目撃者1号はセシル。
「……………?…?」
今二度見しましたセシル。
「?どうした?セシル」
セシルはセシル角度=23.4°で首を傾げたまま、不思議そうに、3人を見つめていた。月の渓谷周辺の見回りついでに探索していたバッツがグラインドして戻ると、既にその不思議な光景があった。
「……ねぇ…バッツ」
「……ぅん?」
セシルと一緒に黙って3人を見つめていると、しばらくして、セシルの呼びかけがあった。
「どした」
「…彼らは、さ……」
「うんうん」
「…何をしているの?かな?」
「うーん……」
バッツは今日という日がどういう日か知っている。でも、腕を組んで考えるふり。それはアレ。バッツの遊び心というヤツだ。