FF小説
□魂、命、イノチ II
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そこはテラの、ある場所だった。そこがどんな所で何に使われていたかは忘れてしまったが、いや、思い出したくもない場所だったか。とにかく、そこでまだ子供だったあの少年と会話をしていた。
『―――だからね、この人見たときに、お父さんだって思った。俺の夢とそっくりだからな!』
少年は、少し頬を上気させていた。
『―――そうか。俺にはそういう、家族の夢は見たことがないな。』
『?そうなんすか?じゃ、さ、どんな夢?』
俺は軽く笑い言った。
『そうだな…。あまりいい夢は見ない。かなり重いな、夢にしては。』
『どんなんどんなん?』
少年は俺と同じ、だが、色は異なる尻尾を、少しだけ揺らした。
『……村が燃えていたり、人が数人殺されたり、星が衝突しそうだったり、友人を裏切ったり、………あげるとキリがないな……。』
嘲笑気味に笑って、答えた。
『…ふーん、そっかぁ…。』
伏し目がちに、少年は答えた。
『……いや…。一つ。俺を、輝かしい瞳で、慕って…いや、憧れて、付いて来ていた2人の少年がいた夢を、一度だけ見たな―――――。』
それは、輝かしい、懐かしく、もう手の届かない――――