story

□汚れ無き青春
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私は気が付いたらシカマルくんに抱きしめられていた
すごく暖かくて
心に響いた「守る」の言葉
とても居心地がよくて
ずっとこのままでいたかった。
でもそれはダメ。
そっとシカマル君から離れて言った

「ありがとうシカマル君
でも私一人で大丈夫だから…」

そう言うとヒナタはよろけながら立ち上がり
ごめんねと言って歩き出した。
なぜか俺はとっさにヒナタの腕を掴んだ
「シカマル君?」

「そんなふらふらで、付いてく」

その瞳はまっすぐで、本当に心配してくれている瞳だった
すごく綺麗

「いいよ、大丈夫だから」

甘えちゃいけない
私が近づいてもしシカマル君に何かあったらいけない

「ごめんなさいっ」

そう言うとヒナタは俺の手を振り払って走って行った。
「っヒナタ!!」

両足、両腕痣だらけでほっぺだって殴られたみてぇに赤くなってて
全身びしょ濡れでガクガク震えて
目なんて涙たくさんためて
そんなお前を見捨てれるほど人間終わってねぇよ俺は。
俺から逃げるよなヒナタを追っかけた


走ると余計に痛みが響いた
背中なのかお腹なのか腕なのか足なのか
どこが痛いのか分からないくらい痛くて
ふらふらな自分の足に躓いてこけた
呼吸も難しい

「痛いな…」
廊下の床は白くて冷たくて少し優しかった



廊下を曲がったら倒れてるヒナタを見つけた

「むちゃすっから…」

「シカマル君…」

それからお互い無言で、俺はヒナタを担いで保健室まで連れてった
こんなときに限って先生がいなくて、とりあえずシップとか貼って
ヒナタが落ち着くまで付いてやることにした。勝手に
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