◇◆王崎BD小説◇◆
□HAPPY BIRTHDAY
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「ほい、手出してみ」
「え?」
金澤の言葉に戸惑いながらも反射的に手を出してしまう。
「誕生日プレゼント」
「あ…ありがとうございます…」
金澤がちゃんと覚えていてくれたことが嬉しくて、王崎は目を細めて笑う。
一方、手の平にはチャリンと金属音。
「?」
これは?と問い掛けるように金澤を見上げると、にぃっと口の端を上げた金澤が王崎の耳元に近付き囁く。
「あ い か ぎ」
「ああ…って、ええ?!」
目を丸くしている王崎を見て金澤は満足気だ。
「あった方がお前さんも便利だろ?んじゃ、早速使ってやって」
「先生は?」
「悪いな、ちょっと会議で遅くなる」
「…はい、じゃ先に待ってます」
頬をほんのりと赤く染めた王崎はなくさないようにぎゅっと鍵を握り締めた。