妖怪家

□君に
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今日は長谷と海に行く日だ。
俺は久しぶりに会う楽しみと、長谷が好きだって自覚して初めてのツーリングへ
の緊張で眠れなかった。
約束の時間までうたた寝程度に眠った。


約束の時間より長谷は必ず30分前に来る。
俺はるり子さん特製弁当を持って長谷を今か今かと待っていた。
すると聞きなれたバイクのエンジン音が近づいて来た。

「どーしたんだ稲葉?珍しいな。いつもなら支度終わってねーのに」
「最近は修行あるから早起きになったんだ。ただそれだけだ」
「ふーん、まぁ別にいいんだけどよ。行くか」

見透かされてる気もするが言えるはずもない!!

「おぅ」

俺達は海に向かった。

うー好きな奴と密着して乗るバイクって嬉しいけど、片思いの俺には少し切ない


海が見えてきた。


「海だ!!長谷!!」
「そんなに騒ぐなよ。海は逃げねーから」
「冷めた奴だなー長谷」


海を見るなんて久しぶりだし、何より長谷と一緒だ。
騒がずにいられるか。
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