妖怪家

□ずっと…
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俺はあの日を忘れない…。
あの時から俺は…。
どんなに離れようが月日が経とうが消せやしない。
誰にも…。


あれから歳月が流れた…。


稲葉とはそれぞれの道を進む時がきた。
永遠の別れではないが今とは違い疎遠になってしまうだろう…。
それが俺は淋しかった…。
そう思っていたら、稲葉の入る予定の寮が火事になったことを聞き連絡したがいなかったが後から電話がかかってきて、アパート暮らしの話を聞いて俺は心配で堪らなかった。
でも、稲葉は心配ないの一点張りだ。
なぁ稲葉知ってるか?
心配ないって言われてもお前の声が無理してるように聞こえることを。
手助けしてやりたいけど、お前が望まないから俺は何も出来ない。


でも、お前が手を差し伸べたら何が何でも掴み取るからな…。
俺はあの時から決めたんだ。



3年前
両親を失って泣きそうな顔しながら泣けな
かった稲葉。

稲葉、お前は弱くて強かった。

そんなお前が俺は好きになってたんだってな。
この思いは決してお前には伝えない。
自分でも臆病だって分かってる。
でも、俺はこれからずっと親友としてでもいいからお前の傍にいたい。






誰よりも夕士を愛してる。
あの日からずっと…

09/7/9

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