中毒郷
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2月14日
歩いていたら四月一日の声が聞こえた。
俺は自然と足が四月一日の声のするほうへ向った。
四月一日は一人で叫んでいた。
ふとテーブルの上に目が止まった。
そうチョコだ。
四月一日はチョコを九軒に食べて貰う予定だったらしい。
俺は九軒に嫉妬した。
貰いたくても俺は四月一日から貰えることはないし、俺以外の誰かが食べるのは嫌だった。
貰えないなら、せめて食いたかった故に俺は食べた。
それは上手かった。
いや、味が不味かろうが四月一日の手作りなら何だって上手い。
俺はこのたった1つのチョコがあればもう何もいらなかった
これが俺にとって最高のチョコだ。
俺は小さな幸せなかみしめた。
しかも四月一日と帰ることが出来た。
今日はいい日だった。
たとえ、魂を抜かれたとしても。
09/7/10