中毒郷
□縁−侑子Ver−
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滅多に人見知りしない四月一日が、そこまで嫌うなんて一度その百目鬼って子に会ってみたいわ。
そこであたしは提案した。
「二人っきりが照れくさい四月一日のために人肌脱いであ・げ・る」
「夏のデートといえばやっぱり!」
「やっぱり!」
「「怪談でしょー」」
「全然関係ねぇし!」
青褪める四月一日。
嫌そうな顔。
賜らないわ!!
「そこ借りて百物語しましょ!」
あたしは楽しくて仕方なかった。
百目鬼って子にうちを貸しってて嫌々頼む姿の四月一日の姿が目に浮かぶわ。
それから…
ついに待ちに待った百物語の日が来たわ。
四月一日が立腹する百目鬼って子を拝めるわ。
そして
あたしは百目鬼君を見て理解した。
「なるほどねぇ」
ふふっ。
四月一日を百目鬼君はこれからね。
きっと…。
「四月一日、百目鬼君と仲良くしといたほうがいいわよ」
「いやっすよ!つか、なんで?!」
「ま、追々分かるわよ」
嫌でもね……
ふふふ…