三つ子の魂百まで
□07.お昼の争い
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乱闘の様子が名前ちゃんに見えない様、近付いていく沖田さん
それは必然的に3人から名前ちゃんを見えなくさせる
「名前さん、俺も忘れたんでさァ」
「総悟くんも?」
「あー」
「…仕方ないなぁ……はい///」
「待つアル!お前にはゴリラから渡されてる筈ネ!(沖田のクソヤロー、お前のすることなんて全てまるっとごりっとお見通しネ!)」
「(チッ…チャイナが)あァ〜、近藤さんに分けてもらったの忘れてやしたァ。すいやせん、名前さん」
「そう?」
神楽ちゃん!ナイスだ!!
これ以上あの二人をキレさせるのは厄介だ
神楽ちゃんの発言により名前ちゃんに食べさせてもらうことが不可能になった筈なのに、沖田さんは名前ちゃんの前に居座り続ける
そして何か思い付いたのか一瞬体が揺れた
「名前さん、その箸、貸して下せェ」
「 ? 何に使うの?」
「俺が名前さんに食べさせてあげまさァv」
「………え?///」
「ほら、貸して下せェ」
沖田さんは名前ちゃんの手から優しく箸を取りおかずを一口名前ちゃんの口元へ運ぶ
「はい、名前さん、あ〜ん」
「ぁ、あ〜///」
「…旨いですかィ?」
「…自分で作ったものだから何とも…」
「じゃァ、俺が食べさせてあげて、さっきと味は変わりやしたかィ?」
「……へ?あ、えっと………ぉ、美味しかったよ…?///」
「へぇ〜…なら、俺も一口……」
そう言い、沖田さんはおかずを口へと運ぶ
「そ、総悟君?!///」
「名前さん、本当に料理上手いですねィ!スゲェ旨いでさァ!」
「お世辞は良いよ…///」
「お世辞なんかじゃありやせんぜィ!本気でさァ!あの二人と一緒に育ったってェのに、普通どころか、こんなに旨いなんて……名前さん…是非とも俺のょ「ホアチャーー!!」っで?!何しやがんでィ!」
「お前の方こそ、なんてことするアル?!」
ギャーギャーと互いに叫び合い名前ちゃんから少し離れて喧嘩を始める二人
その隙に姉上と来島さんは名前ちゃんの両端を陣取る
「さ、名前ちゃん。その汚された箸を渡して?処分してあげますからね」
「け、汚されたって…」
「まさか、名前さん!その箸を、そのまま使う気だったんスか?!そんなこと、私が許さないっス」
「私もよ」
私も許さないネ
という神楽ちゃんの声も聞こえる
「…名前ちゃん、これ以上、この場をややこしくしない為にも…ね?」
素直な意見を僕も言ってみる
「ぅ、うん」
名前ちゃんは素直に姉上に箸を渡す
そして、姉上はその箸を瞬時に綺麗に粉々になるまで踏み潰した
その様子を名前ちゃんは立ち上がろうとしていたので気付いていないだろう
「ぁ、えっと………皆!ご飯、食べてるんだから…もうちょっと、おとなしく……………出来るよね?(黒笑)」
立ち上がった名前ちゃんの口から出たのは、恐ろしさを含むこんな言葉
顔は笑っているが、目は笑っていない
加えて、冷たい声
名前ちゃんに対抗出来る人はこの場にいない
「「「「「………すみませんでした!!」」」」」
全員が見事にハモると、名前ちゃんはいつもの穏やかな笑みに
「さ、皆でご飯食べよう」
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