三つ子の魂百まで

□06.昔話
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  ●屋上●


今はもう、名前ちゃんも泣き止み、姉上の隣に座っている

そして、その隣を高杉さんはちゃっかりキープしている


「で、どうして あんな話になったのか説明してくれるかしら?」

「姐さん、さっきの話は事じ…「高杉くんは黙ってなさい、私は名前ちゃんから聞きますから」」


姉上は黒い笑顔を高杉さんに向ける


「ククッ…姐さんには敵わねぇなぁ」


そう言った高杉さんを姉上は完全に無視し、名前ちゃんの向かいに座り直し両手を握りしめた


「名前ちゃん、さっきの話は作り話なんでしょ?」

「…どうして気付いたの?」

「あなたは私の大事な親友なんですもの。親友のことぐらい何でも、お見通しよ」

「妙ちゃん…」

「さぁ、名前ちゃん…真実を話してちょうだい」

「うん…。屋上に行って高杉くんに会ったところまでは本当の話で、その後が全部作り話なの」

「…ということは、銀さんと土方さんのファンの子達に水をかけられたのも本当なんだね?」

「うん…それで、屋上で晋助くんに、そのことと、トシとギンの過保護が嫌だってことを話したの。そしたら、晋助くんが……私が…晋助くんと…付き合ってることにすれば良いって、提案してくれて……」


確かに、その手は 良いと思う
高杉さんの彼女に嫌がらせをしたなんてことになると、その子自身の命が危ない
誰でも そう思うから良い提案だとは思う


「でもね、晋助くんにもファンの子がいるから、同じことが起きるかもしれないし………また子ちゃんとは仲良くしたいし………だから、皆の意見を聞いてからにしようと思って保留状態というわけです、妙ちゃん」

「名前、そんなにハッキリと言わなくても良かったのによォ…」

「ダメだよ、妙ちゃんには隠し事したくないもん!」

「名前ちゃん…あなって本当に良い子ね…」


そう言って名前ちゃんを抱きしめる姉上


「それに、その選択は間違ってないわ」

「あ、やっぱりそうなんだ」

「危険な香りのする男は結構人気があるから…」

「うん、それに…やっぱり また子ちゃんと仲良くしたいもん」


この学校にいて他のクラスの来島また子さんは高杉さんをすっごく尊敬している

尊敬というより、恋愛感情に近い気もするけど…


「それにしても、どうして名前ちゃんに嫌がらせをするんでしょうね…銀さんも土方さんも有名だから、名前ちゃんが転入してきたこともすぐに広まったんですよ?だから、三つ子だって皆知ってるはずなのに……」

「…それは……きっと……本当のことも広まったから……かな…?」





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