一
□二人だけの(高杉)
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一人寂しくお祭りのある方へ向かっていると、後ろから知っている声で呼び止められた
「おや?名前殿でござらんか?」
「…ばん、さい?」
「名前殿が一人でいるなど珍しいでござるな。何かあったでござるか?」
結果と理由を詳しく説明する
「…成る程。しかし、名前殿、一つ間違いがござるよ?」
「えっ?」
「今夜の祭に晋助は行かぬそうでござる」
「…嘘、晋助がお祭に行かないわけないじゃない!」
「だが、拙者は晋助からそう聞いたでござるよ」
「…なんで行かないの?万斉、理由知ってるなら教えて…?」
「それは、名前殿、晋助は「オイ、万斉」」
「おぉ、晋助」
「…しん、すけ」
「何してんだ?こんなとこで。しかもオレの名前と」
「話を少し。それより、晋助、名前殿に嘘をついてはならぬ。真実を言わねば」
「てめぇに言われなくてもわかってらァ!」
「なら、きちんと話してやるでござるよ。でないと、名前殿も納得出来ぬであろう?」
「チッ…」
「…?」
「では、拙者はこの辺で。名前殿、お達者で」
「あ、うん」
そのままお祭の方へと向かう万斉の背を二人で見送った
「…で?」
「あ゛ぁ?」
「晋助がお祭に行かない理由」
「……祭には名前を連れて行きたかった…だが…オレは、指名手配されてっからよォ……見つかったら名前も捕まっちまうだろ?それが嫌だった」
「…晋助……。ごめんね!訳もわからず飛び出したりして…本当にごめん!!」
「名前、謝るなよ。言わなかったオレも………ったしよォ。………帰るか」
晋助って本当に謝るの苦手だなぁ って思ったら笑えてきて
「うん」
笑顔で晋助と手を繋いで帰った
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