一
□星にお願い(沖田)
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「なァに、回れ右なんかしてるんでィ?」
さっきまで自分が進もうとしていた先にはあの人………沖田さんが居た
「!ぉ、沖田さん///おはようございます」
「おう」
沖田さんは隊服ではなく私服
「沖田さんは、今日は非番ですか?」
「そうでさァ。そーいやァ、名前」
「何でしょうか?」
「昨日は七夕だったねィ」
「そうでしたね」
「名前は何か願いやしたかィ?」
「はい、一つだけ。沖田さんは?」
「オレは二つ願いやした」
「二つも、ですか?!」
「そーでさァ」
「……どんなことか聞いても宜しいでしょうか?」
「イイですぜィ。一つ目は土方のヤローがこの世から居なくなって、オレが副長になれるように、と」
「…やっぱりですか」
「これは絶対なんでさァ」
「そうなんですか。では、二つ目は………?」
「オレの好きな女と付き合えるように」
「!!沖田さん、好きな方がいらっしゃるんですか?!」
「いるから願ったんでィ」
「そ…そうですよね」
「名前は何を願ったんでィ」
「わ…私ですか?私は……好きな人と結ばれますように、と」
「名前にも好きな男がいるんじゃねぇかィ!」
「…はい」
「で、誰なんでィ?」
「!!言えませんよぉ///そういう沖田さんの好きな方は誰なんですか?」
「名前のよく知ってる人でさァ」
「…私のよく知ってるひと…ですか…」
私の仕事はデスクワークばかりだから、外に出ることは滅多にない
非番のときでも、自室でゆっくり過ごすことを好んでいるから、外に知り合いはほとんどいない
ましてや、女性の知り合いなんて……
「あの…沖田さん。私には女性の知り合いがいないのですが………?」
「誰が名前の知り合いだって言ったんでィ?」
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