□sharing an umbrella(桂)
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「…小さいな……名前、もう少しこっちに寄れ」


桂さんから遠い方の肩を抱かれて引き寄せられる


「か…桂さん///」

「どうかしたか?」

「は…恥ずかしい…です///」

「…そうか?」

「…はい///」


ちらっと桂さんの方を見ると遠い方の肩が濡れていた


「か、桂さん!!肩濡れてるじゃないですか?!風邪をひかれでもしたら………」

「気にせずとも良い。名前、お前に風邪をひかれるよりはオレが風邪をひく方がまだ良い」

「…え?」

「名前には飯も作ってもらっている。それに女子だからな」

「どういう意味ですか?」

「女子はこれからの時代を担う大事な赤子を産み落とす。そんな大事な者が風邪を拗らせ、床に臥せてはならんからな」


桂さんの中は国のことでいっぱい…

私は……桂さんが 好き なのに…

こんなあからさまな一方行な想いだと、哀しくなってしまう


「だがな、名前…」

「…はい………」

「オレにとって大事な…好きな女子は何からでも守りたいものだ。例え雨からでもな」


(…えっと………アレ?…これは、どういうことなのでしょう?桂さんは好きになった女性は雨からでも守りたくって、この状況では、その好きな人っていうのは……………)


ここまで考えて、私の頭はショートして必然的に足の動きも止まっていた


「………名前、大丈夫か?」


私を正気に戻したのは桂さんの声

そして目の前には私の顔をのぞこうとしている桂さんのドアップ


「!!だ、大丈夫です、桂さん///」

「そうか。なら………いつになっても待っているから…返事を聞かせて欲しい」


言いながら、じっと私の顔を見つめる桂さん


「さて、さっさと帰るとするか」


「か…桂さん///」


歩み始めた桂さんを止めた私の声


「どうかしたか?………名前?」





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