三つ子の魂百まで

□08.兄からの勧誘
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晋助君のご飯は、また子ちゃんが用意していたらしい

食事を終えると私達を探していた九ちゃんやさっちゃんが来て教室へと戻ると先生にこっぴどく叱られ、同時にまた子ちゃんはクラス替えを言い渡された

なんでも、女子生徒数人を脅したらしい…

けれど、また子ちゃんは私達と同じクラスになることが嬉しいらしくウキウキしていた


授業も全て終わって後は帰るだけという時にトシに呼び止められた


「…何?トシ」

「名前?何か機嫌悪くねぇか?」

「別に…」

「わぁー、名前!エリュカ様ネ!」

「………」

「……神楽ちゃん…こっちにいらっしゃい?」


呼ばれた神楽ちゃんは妙ちゃんの元へ

私だって、あからさまに怒るときもある

折角、神楽ちゃんとの話が盛り上がっていたところへトシが話しかけて来た

それも帰りに神楽ちゃんの家へ遊びに行く話

絶対に嫌がらせだっ!


「ぁ、あの〜…名前?俺、今日からは部活に行かねぇといけねぇんだよ。副部長だしな。で………寄り道せずに帰れよ?」

「………」

「なになに?お前、名前を怒らせたの?」


無言を決め込もうとしているところへギンがやってきた


「…怒ってないもん……」

「…十四郎〜、何したんだよ?」

「何もしてねぇ!!寄り道せずに帰れって言いに来たら既にこんな状態だったんだっ!!」

「あ〜…(神楽と話してたのを邪魔したな…)よし、名前!帰りに俺がパフェ奢ってやる!」

「 ! オイお前、何言っ「神楽ちゃんの分も?」」

「アイツの分は酢昆布だ」

「………」

「名前、どーする?俺とも一緒に帰るか?」

「…神楽ちゃんに聞いてから…」

「よし。じゃ、十四郎は部活行って来いよ。で、名前は俺と神楽のとこな」

「うん」


ギンのこの提案で神楽ちゃんとも帰れるし、おまけにギンが奢ってくれるというので私の機嫌は元通り


「…ちっ。あ、名前!」

「…何?」

「近藤さんがよぉ、名前に剣道部のマネージャーして欲しいって言ってんだが…?」

「…マネージャー?」

「そこにいる愚弟も一応、剣道部員なんだぜ?知ってたか?」

「…ギン、本当?」

「ん?……まぁな」

「こいつみてぇに練習にも試合にも出ねぇ奴が他にもいてな。そいつら全員、名前の知り合いだから、名前がマネージャーとして顔出してくれりゃ真面目になるんじゃねぇかっていうのが近藤さんの考えなんだが…どうだ?銀時」

「確かに…名前がマネジャーしてんなら部活するし、あいつらもそうかもな…」

「って言ってるが、名前はどうだ?」

「でも…私…剣道のことなんて何も知らないし…」

「今すぐ結論を出す必要はねぇよ。それに知らなくてもいてるだけで良いらしいから、なぁ?」

「…あぁ。それで俺にだけ差し入れとかくれたら最高だなぁ〜」

「それは絶対にねぇから安心しろ」

「 ? ん〜…考えてみる」

「頼むな。じゃ、部活行ってくる」

「じゃあね、トシ。部活頑張って!」

「おう」





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