三つ子の魂百まで
□07.お昼の争い
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あの後、来島さんは高杉さんに睨まれ続け、僕達の間にはピリピリとした空気が流れていた
その空気には名前ちゃんでさえ気付いている
そうしているうちに、猛ダッシュで教室組がやってきた
「「名前ーーーーーーーーーーーー!」」
叫びながら、銀さんと土方さんは名前ちゃんに飛び付く
そのまま転んだ名前ちゃんに怪我をさせないよう二人が庇ったのは言うまでもない
因みに、残りの二人…神楽ちゃんと沖田さんはバトルの真っ最中です
「トシ、ギン?!ごめ…大丈夫?怪我してない?」
「俺らは大丈夫だ」
「名前、怪我はねぇか?」
「二人のお陰で」
普通の人からすれば異様な光景
僕等からすれば見慣れた光景……中学の頃と全く変わらない…
二人が名前ちゃんの手をとり、ゆっくりと立ち上がらせると間に座らせる
「ほらよ、名前。お前の鞄」
「ありがとーっ」
「腹減ったァァァ!名前の手製弁当早く食おうぜ」
「うん、私もお腹空いたぁ」
銀さんの“名前ちゃんのお手製弁当”という言葉に反応したのは僕だけじゃない
この場にいた全員だ
神楽ちゃんと沖田さんでさえ、戦うのを止めて、視線を三人の方へ移した
その様子を見て、二人はこちらを鼻で笑い、お弁当に手をつけ始める
名前ちゃんがお弁当を口に含んだときに、初めて動き出したのが高杉さん
スタスタと名前ちゃんの前まで行き、目の前に座り込む
「 ? どうしたの?晋助くん」
「弁当、買い忘れた」
高杉さんはそう言うと口を“あー”と開ける
って、エエェェェ?!!
これには満足そうに食べていた銀さんも土方さんも驚いた様だ
「あ、そういえば、そう言ってたね。はい…どうぞ……///」
名前ちゃんはお弁当を一口高杉さんの口へ
え?
嘘、だよね?
「…晋助くんのお口に合うかな?」
「…名前……」
「…ん?」
「お前、料理上手いな」
「ぁ、ありがと…///」
「あー」
「はい///」
「「た、高杉ィィィ!!」」
「…ンだよ、飯の時間までうるせェ奴らだな……」
その言葉に気がついたかのように、銀さんも土方さんもお弁当を一旦しまう
その際に、名前ちゃんの箸を処分し、新たに箸を名前ちゃんに渡すことも忘れない
そして、二人は高杉さんと乱闘へ…
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