一
□BEAST(高杉)
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コンコン
また子の部屋の戸がノックされる
「…誰っスか?」
「あたし!名前です!!」
「!!!名前さん?!どうしたんスか?こんな時間に?
慌てて戸を開けると、名前が部屋に飛び込み鍵をかけた
「名前さん?」
「また子ちゃんっ!かくまって!!」
「………はぃ?」
†BEAST†
名前さんは晋助さまの彼女っス
長い黒髪には軽いウェーブがかかっていて、女の私から見ても可愛くて、性格もイイんス
確か…名前さんがこの組織に入ってすぐ晋助さまに気に入られて、それからは晋助さまの部屋で生活してるはずっス
久しぶりに見た名前さんは少し痩せていて、服は…晋助さまの趣味っスか?ミニスカートと着物を合わせて着てるっス
「また子ちゃん、高杉さんが来ても私は此処に居ないって言ってね」
「わかったっス。それより、何で逃げてるんスか?」
「…イヤになったの」
「晋助さまを…っスか?」
コクと名前は頷く
「何があったんスか?名前さん」
「…ごめん…その“名前さん”ってやめて?私も“また子ちゃん”って呼んでるんだし…ね?」
「わかったっス、名前ちゃん。で、何が?」
はぁー…と名前は長い溜め息をつき、言葉を続ける