□俺達専属!( 微逆ハ)
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真選組専属の医療を担当している私は今日は珍しく暇だった

暇なのは怪我人も病人もいない平和だという証拠

けれども不吉な予感がする

なんでも、近藤さんは休みをとっていて、土方さんは非番で、沖田さんはサボリなのか何処にも姿がないらしい

そんなことを考えながら救急箱を整理していると廊下から慌てた足音が聞こえる


「名前さァァァん!」


叫び声と同時に戸が開かれる


「…どうしたんですか、山崎さん、そんなに慌てて…」

「で、電話!電話に出て下さい!」

「…電話?」


不思議に思いながらも医務室に設置されている電話に出る


『あ、名前?なんか私の腕が変になったアル…今すぐ来て欲しいネ』


すると、私のよく知る可愛らしい声が聞こえた












†俺達専属!†












神楽ちゃんに呼び出されたのは柳生家

門を入ってすぐ人に尋ねれば、すんなりと案内してくれた

さすがセレブなだけあって屋敷が広く今来た道すら覚えることが出来そうにない


「あ、名前〜、やっと来てくれたネ!」


声がした方を見れば私を呼んだ本人、神楽ちゃんがいて慌てて駆け寄った


「神楽ちゃん!どうしたの?手が変って…」

「診てヨ、名前!私の手プラプラネ!」


診ると折れているらしく、手首から先が変な方向に曲がってプラプラとしていた


「神楽ちゃん、大丈夫?痛かったでしょうに…」

「痛かったアル〜!なのに、沖田のクソヤローが“逆にすれば治る”とか言って…うぅ…」

「あ〜、それは酷いわね…でも、神楽ちゃん、ここでは治せないの…応急処置だけするから…あとでちゃんとした治療をしに屯所へ移動するからね?」

「うんっ」

「いい子ね、神楽ちゃん」


そう言いながら神楽ちゃんの手首を固定していると後ろから色んな気配がして振り向けば


「名前さ〜んv」

「…は?」


沖田さんに抱き着かれた






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