日和

□雨の日の夜
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一向に此方に向き直ってくれ無い太子に痺れを切らして腕を引っ張り無理矢理向かい合う体制にすると、酷く怯えた様な表情をした太子が居た。


「…なるべく優しく聞き出そうと、思ったんですが…太子の事が心配でつい力任せになってしまって…すみませんでした」

「いい…今のは私が悪かった…」

「………、」


人が折角素直に謝ったのにアンタって人は…
普段全然遣わない気を今此処で遣われると戸惑ってしまう。
しっかりと顔を上げた太子が、控え目に口を開いた。


「ねぇ妹子、妹子は私のこと嫌い?」

「なん…「だって私おっさんだし、臭いとかウザイって言われるし、犬好きだし、…………妹子のこと…怒らせてばっかだし…」」


なに、を?

犬好きは関係無いと思うが…
少なくても、僕の知ってる太子はこんな事言う様な人では無かった。

今日一日だけでしょう?
なのに、その間にこんなにも太子は変わってしまって居る。
収まった筈のモヤモヤがまた広がり始める。

今度は僕の方が、
太子を見る事が出来無くなった。

胸が苦しくて、苦しくて、

向き合う事が出来無くて、
其れならせめて、
と目の前に座る愛しい人を抱きしめた。

嫌がられたって良い、
もうこの際当たって砕けろと思ったから。


「…いも、こ?!」
「嫌いです!!」

「……そ…か、そうだよね!」
「今の太子は嫌いです」

「え…?」

「遊んでばっかりで、僕の仕事邪魔ばかりして、カレー臭くて、ウザくて、ジャージ野朗で、ノーパンで、やたらよく埋まるし、僕に心配ばっかりさせて……」

「……」

「でも、何だかんだ言ってそんな太子が僕は好きでした」


言ってしまった。

その場の雰囲気と勢いとは凄い物だ。
今迄悩みに悩んで来た事が、
こんなにも簡単に言えてしまうのだから。

腕の中の体温が上がったのは、多分気のせいでは無いだろう。


「…もう、嫌い…?」

「いいえ、今も好き、です」

「よかった…」


早起迄雨に濡れて居たとは思え無い程暖かい太子が頭を埋めて来るのが嬉しくて、幸せだなぁと不覚にも思ってしまった。

取敢えず、拒絶はされ無かったらしい。


(よかった、はこっちの台詞ですよもうぅ…)


結局何があったのか聞き出せ無かったからまた何時か聞こうと思う。


今の僕には蛙の声も雨の音も聞こえ無かった。






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長い文に挑戦してみました。
妹→太 ハッピーエンド…?

仕事しろ!
と馬子さんにお尻叩かれて、
しぶしぶお仕事。
夜九時頃
仕事帰りに朝廷内で、
冠位十二位の彼あたりに
臭いだのなんだの言われて、
しょんぼりした後、
今日一日の話を
妹子にしようと
小野家に向かっていたら
途中雨が降り出して、
こんな日には
竹中さんが元気だから、
最初に竹中さんのところに
話に言って、
竹中さんにいろいろ
吹き込まれたんだよきっと!
妹子が太子の事好きなの
知ってて告白するチャンスを
作ってあげたんだ!竹中さん!

長い上によくわからない解説
お疲れ様でした。←

長ったらしいグダグダな
あとがきを読んでくださった
方が居らっしゃるのか不安ですが、
ここまで読んで頂いて
ありがとうございました!


2008.04.21
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