鮫連載

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オレは萎れて風にふらふらと揺られている花を見下ろした

供えられた花はきっとそこらへんから摘まれたものなのだろう、無造作に置かれたはそれは色褪せてしまっていた




ここに名無しさんが来ていた

アイツが何を考えているのかさらにわからなくなった、怒りは急性に押し寄せてはひいての繰り返しだった

オレへのあてつけなのかテュールへの忠誠の誓いなのか、だいたい忠誠だったとしてもオレはアイツが自身の剣で戦う姿を見たことがない、剣に誓うならばなぜ剣を振るわない?
このことは名無しさんの謎の一つだ
唯一オレの隊でピストルを主とする戦闘スタイルをとるのは名無しさんだけだ、いなくなった今も、だ



ぐしゃり、潰れた花が虚しいさをさらに引き立てた、定期的にテュールの墓に来ていたのを名無しさんに話したことも連れて来たことすらなかった


発狂しそうだ、名無しさんにも俺にもザンザスにも

全てはザンザスの一言で決まる
奴の気がしれねぇ
俺は迷っていた






「…名無しさんの居場所がわかった」
「なんだとぉ?!」
「うるせぇ」
「アイツは、何処にいやがる」



奴に呼出しくらったかと思えば予想だにしない発言に俺は声を荒げてしまった
名無しさんが消えてから二週間が経とうとしていた

ザンザスはデスクに両足をおき、だらりと座った体制で目をつむっていた



「…教会へ行け」
「教会?」



そのときザンザスは、ふと一瞬だが口隅をもちあげた







「アイツに殺らせろ」






がんじがらめになっていくアイツを見るのが楽しみだということだったのかもしれない、俺はただ駒のように動き運命を見届ける

俺は迷っている、この感情はまだ俺には人間としての気持ちが存在するということなのか
何かを決意するようにやって来たテュールの墓はただそこにあるだけで何も教えてはくれなかった







ほこりにかけても
2009.03.02


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