鮫連載

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ピキュン
「う、わ」
「アンタ誰」
師匠に会いに、屋敷に帰還した僕をいきなり発砲してきたのは、師匠ではなく綺麗なお姉さんでした







「疑わしき者は撃てって言うじゃん、だから今のは謝らない」
「でももし避けれなければ、僕死んでしまいます!」
「死ぬぐらいならこの屋敷踏み込めない」
「…ところで師匠は、」
「……見ず知らずの青少年に教える筋合いない、師匠とか知らない、話がみえない」
「師匠は僕のことを知ってるで問題ないです、じゃあお姉さん師匠の何なんですか?」
「顔に似合わずアンタ言うね」
「こう見えて19才です!さっき青少年って言ったじゃないですか」




一体何なんだこの恐ろしく非常識で綺麗なお姉さんは!師匠の居場所、教えてくれないし、執務室に師匠がいないって事は任務かな?

ちらりとソファーに座り微動だにしないモデルみたいに美人な女性を見た
隊服ってことはヴァリアーの人なんだろうけど、僕が前に訪ねたときはいなかったような気がする



「ねぇ」



気づけば入り口の前で立っている僕の目の前に女の人の立っていて、のぞき込んできた



「とりあえず座りな」


無表情なのに何故か怖くなかった、僕ははい!と返事すると、思い出したように、お茶を用意するために奥へとかけていった
これ癖なんだよね



お姉さんここにいるってことは少なくとも師匠と接点がある人に違いない、きっと恋人なんだろう、くすりと笑うと今までの師匠の女運の無さを回想し始める

言い寄られた女に殺されかけ、嫉妬に狂った女に毒を盛られ、異国でたまたま助けた女に崖から突き落とされ、今でも生きてるのは生命力が図太いとしか言いようがないんじゃないかな、
エスプレッソを入れ終え、2つトレイに載せてお姉さんの待つソファーへと向かった





「あれ隊長の隠し子ですね」
「違うっつってんだろぉ、ったくシュヴァイツ!」
「はい!師匠、このシュヴァイツ只今戻りました!」


トレイを置き勢いよく返事はしたものの、師匠は明らかに怒っているみたい、きっとお姉さん取られて怒ってるんだ僕これでも年上キラーだから


「わかってんだろぉな……まだ弟子と認めたわけじゃねぇ」
「しかしきっかり3年修行を積んできましたっ」



キンッ



「…甘ぇ」
「くっ、参りました出直してきます」


ここできましたか、
やっぱり師匠は違う、3年いなかった間に師匠も磨きがかかっている分、僕の剣さばきに反応はまだまだだった
いつも帰ってきてはいきなりの攻撃で実力を見抜いてしまう師匠は出会って5分で追い返されるのがいつもだった、


けど今日は違うみたい



「シュヴァイツもう帰っちゃうの?」



思わず満面の笑みで振り返った先には呆れ顔でお姉さんを見る師匠といつの間に盗られたのが僕の命より大切な剣を握りしめるお姉さんがいた





スクアーロの弟子と出会う7ヶ月目







2009.02.25

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