二章

□冬の空
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雲一つ無い真冬の空の下。
私は兄と共に仕事に出たまま帰ってこない両親の帰りを待っていた。

「ほら、風邪をひいてしまうよ?」
「ありがとうございます、兄上」
「今日はもう遅いから家に入ろう?」
「はい」

兄はとても優しい人で私よりも3つ年上だった。
来年からは両親の様に協会に申請をして、ヴァンパイアハンターとして家を出てしまう。
だからこそ、私は兄と少しでも離れることが嫌だった。

今日の夕飯は兄上の手作りスープと暖かなパン。食卓には、両親が何時帰って来ても良いように4人分のパンが用意されている。

秋に家を出てそれから両親は音信不通。最悪の事態も頭に浮かんではいたが、兄が励ましてくれるお蔭で私は大丈夫だった。

家は町の外れにありながらも町の人々は私達兄弟にとても優しくしてくれている。元々若い人達が村から出て行ってしまった為若いものが極端に少ないのだ。







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