二章

□ナイトメア
2ページ/5ページ




「ここでお別れです」

雪も溶け、ようやく出発することが決まったある日の朝。突然ルビーが別れを告げ出した。

「なッ…どう言うことですか!!」

声を上げたのはマーベル。シリュウはただ悲しそうな顔をするだけ。

「まさか私だけ置き去りとか?」
「違います」
「なら何故?!!」

怒りながらもそれならそれで良いとマーベルは思っていた。
寂しい気はするが、自分がいつまでも二人の邪魔をするわけにはいかない。いつかは別れなければ、そう思っていたが…

「マーベル殿、手を」
「え?」

ルビーはニッコリ微笑むと自分の手を差し出されたマーベルの手に重ねる。
冷たい一切の温もりを失った手。 人とは違う者の温度。



,
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ