二章

□嘘吐き
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その頃



「ああもう一体何処なんだここはー!!」

クリスは道に迷っていた。
ルビー達を追って早数日。目撃情報を頼りに馬を走らせているが、一向に追いつくことができない。
しかも性質の悪いことに夜だというのに森に迷い込んでしまった。
月は出ているから明るい、それでも一人夜の森に入るのは危険を伴う。それをわかっていながらも、少しでも彼に追いつきたくて。


『孟起』

最後は泣き顔しか見れなかった。
両手に抱きとめることも出来ず、涙を拭うことも出来ず。

「振り向かせるんだ」

それが約束だから。




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