キリリク

□「後ろ」
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真っ暗、広がる闇

ぽつんと一人の少年がいた

少年自身も何故ここにいるのか

ここが何処だかわからない

ただ、そこは暗く重く

とてもじゃないがいい心地にはなれなかった

凄く冷たく体温を奪っていき

体中がだるく足取りも重い

だがここにいたくないという気持ちが

少年を歩きさせた

歩いた歩き続けた

しかし一向に景色が変わらない

「ウシロノショウメンダァレ?」

何処からか呟くように聞こえた

空耳か?と思った刹那

黒い影の腕が少年に掴もうと後ろから現れた

驕り、怒り、嫉妬、絶望が掴まれた部分から感じた、肌がぴりぴりと悪寒が走り

恐怖が全身を覆った感覚に陥った

「うわぁあぁぁ!!」

襲いかかる手を振り払いながら全力疾走で逃げた

腕は逃げる少年を追い掛け続けた

何度も後ろ髪が掴まれその度に毛根から引き千切れながらも痛みに耐え走った


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