□AUTUMNAL MOON
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月明かりに照らされた漆黒
それでも暗く不気味に
まぁるいまぁるいお月様
嗚呼 意地悪

それは宵月夜
若き夫婦生き
幼女は先に

まぁるいまぁるいお月様
幻は現
錯覚は希望
見せているだけで
事実曲げず
父は衝撃で怠慢
母は居座る
毎日ぐるぐる毎日ぐるぐる
続く日々
嗚呼 お月様意地悪



未だあの子来ず
夕飯の用意を
早う早う冷たくて
そわそわ そわそわ
待てど待てども
帰る気配すらない!
これ以上困らせないで!

…嗚呼!扉が!!
あの子…あの子が!!
早う…我元に!!



帰るはずないが帰り
父は呼び
母は抱擁を
血塗られた手気付かず
月明かりが包む

嗚呼 今夜 宵月夜
あれから年立ちました
主屋は異臭が
今宵も呼ぶ


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