あの子の魔法使い

□第5話
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むせ返る様に暑い。

まぁ、ここは洞窟でドラゴンの住みかなのだから当たり前なのだが。



ここに住むジョニーはドラゴンであった。

彼は炎のドラゴンとして知られる魔物で、家族や仲間と共にこの洞窟で暮らしている。


さて、今日もさっさと朝の集会に行くか。

その後はブラブラと洞窟の外へ大空を散歩でもしに行って、ウマそうな人間でもいたら襲って喰おう。


この洞窟がある山の近くには大きな国があるから、大体毎日誰かしらがこの山に来る。

この山はどうやら宝石が採れるらしかった。

ジョニーにはどうしてそんな石ころを人間が欲しがるのかさっぱり分からないが、人間がこの山に来るので大変結構だと思っていた。


中でもブタかと見間違える程の人間は特別ウマい。


まぁ、女の肉も柔らかくておいしいが、やはり脂肪がたっぷりついてる肉は極上だ。


太った女なんて、もう最高!


反対に、魔族。


ありゃダメだ。

魔物であるドラゴンと同じ種族ではないがタイプが似ているせいか、魔族の肉はマズい。


魔族には人型をしている奴らがいるから、よく間違えるんだよなぁ。


山の近くの大きな国には魔族も沢山住んでいるから、人間と同じ位、魔族もやって来る。


なんていったっけなぁ。


あ、そうだそうだ。

確か『ノエル=コクロワ』とかいう国だ。








…………むっ!!


この匂いは………!!!


この時馴れ親しんだ洞窟に起こった変化に、ジョニーは鼻をヒクヒクさせて辺りの匂いを嗅いだ。

 
ほんの僅かだが、確かに人間の匂いがする。



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