short story
□雨宿りの帰り道
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買い物からの帰り道。
「賢木さん来てくれないかな…」
まだまだ止まぬ雨を見つめながら、私は思ったことを口にした。
「みんな、早く来ると良いなぁ…」
数十分ほど前のこと。
買い物途中に雨が降り出してしまった。
空は曇っていたというのに傘を持たずに出かけた私は、近くの雨宿りのできる場所に避難する事にした。
とりあえず、迎えにきてもらおうと私は、わりと仲の良い賢木さんに電話をしてみた。
しかし、電話に出たのは賢木さんではなく何故か皆本さん。
雨宿りをしていると話すと、私をチルドレン達と迎えに行くと言ってくれた。
少しばかし疑問は残るけど、ありがたいことに変わりはない。
雨宿りをし始めてからずいぶんと経った。
しかしながら、一向に皆本さんとチルドレン達が現れる様子はない。
もしかしたら。
そんなことを期待してみたけど、それはきっと訪れることはないとわかっているので、皆本さんとチルドレン達が早くくることを祈った。
それからさらに数十分ほど経った頃。
「すまん、待たせたな」
いくらなんでも遅すぎると思い、皆本さんに連絡しようとした矢先のことだった。
聞こえたのはもしかしたら、と期待していた彼の声。
振り向いた先に居たのも…
雨宿りの帰り道
(賢木さん、ケーキ屋さんよっていきましょう!というかおごって下さい!)
(…しゃあない、待たせたしな。でも、今日だけだからな?)
雨などとうに止んでいたけれど
二人で相合い傘をしながら帰ったあの日は
大切な、大切な秘密の思い出
END
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天気っておもしろいですよね。
雪とかもネタになるかなー?
なんて思いながら、でもやっぱり雨のお迎えだろう!
と、どこぞのチルドレンのような思考で書きました。楽しかったです。
というか、皆本さんやチルドレンはどうしたんだろうか……?