―風の想い―

□罪と言う名の罠【†】
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 例えるならそれは…蜜を求めて彷徨う蝶のように…美しく、人の目を引き付ける。
 だから僕は罠を仕掛けよう。もしキミが罠にはまったその時は……。




二度と…逃がしはしない…









 「やべぇ!!寝坊した!!マジで遅刻する!!!!」

 ゾロは急いでヘルメットを掴み、バイクに飛び乗る。時間は既に八時をまわっていた。

 「やばい…あと15分しかねぇ!!」

 自分の寝起きの悪さを呪いつつ、エンジンをいれ学校に向けてバイクを急発進させた。




 「よしっ!!着いた!!まだあと5分ある!!」

 近くの駐車場にバイクを置き、学校まで走り出す。そこからゾロが通っている学校――私立グランドライン学校――までは走ったら3分でいける距離にあった。
 その時、何かが光ったような気がしたが無視して学校へ向かった。

 「ま、間に合った。」
 「ロロノア君。また遅刻寸前よ?もっと早く来なさいね。」
 「すみません。」

 校門の横に立っていた先生の注意を聞きながら、ゾロは教室まで走ったのだった。

    ◆◆◆

 放課後。ゾロは自分の机に突っ伏していた。

 「疲れた…」
 「そりゃ、朝からあんだけ体力使えば疲れるだろうがフツー」
 「…ウソップ」

 ゾロの前に立っていたのは友人のウソップ。ウソップは呆れたように声を掛ける。

 「ゾロ〜お前もう少し早く来いよなぁ。」
 「俺だって…そうできるもんならそうしたい。」
 「お前…まだ“アレ”で学校来てんのかよ?」
 「まぁ……」
 「いい加減止めとけよ。見つかったら退学たぜ?」

 “アレ”とはもちろんバイクのこと。実はこの学校、バイクでの登校は禁止されているのだ。

 「“アレ”ないと、マジで遅刻すんだよ…。」
 「見つかる前に止めといたほうがいいと思うぜ、俺は。」
 「見つかんねぇだろ。あんなの…所でウソップ。お前何でここにいるんだ?」 「おぉ!!忘れるとこだったぜ!!生徒会長がお前を呼んでたぜ?放課後、生徒会室に来いってさ。」
 「はぁ〜?生徒会長がぁ〜?何で?」
 「知らねぇよ。まぁ、俺はちゃんと伝えたからな。」

 ひらひらと手を振りながら去っていくウソップを見ながらゾロは一人考えていた。
 生徒会長…サンジ。実際に会ったことはないが、金髪と海の様な蒼い瞳をしていて、女子から絶大な人気を集めているらしい。頭脳明晰でこの学校の首席も務めていて、性格も良い。まさに比の打ち所がない奴だ。

(なんでそんな奴が俺に?)
 どんなに記憶を遡っても俺と奴の接点が見つからない。
 (考えてもしかたねぇ)

 そう思い、ゾロは生徒会室に向かっていった。











 生徒会室のドアに軽くノックをする。

 「どうぞ。」

 返ってきた答えにゾロは引き戸を開け中に入った。中には、会長一人だけだ。

 「失礼します。あの…友人に言われて来たんですが…。」
 「あぁ…君が…ロロノア・ゾロ…か。」
 「はぁ…そうですけど」

 綺麗な奴だと思った。女子が騒ぐのも無理はない…と。ゾロがそんなことを思っているとサンジがゆっくりとゾロに近付いてきた。そして、耳元で囁いた。

 「…バイクでの登校は禁止されていることは知っているよな?」
 「!!!!!!」

 そう言うと、サンジはある物をゾロに見せた。
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