ハイキュー
□今日恋人になります。
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「チッ…及川め」
先程メールを送った相手に対して怒っている岩泉は、昇降口で待っていた。
すると目の前がいきなり暗闇に覆われた。
目の辺りに感じる冷たいもの。どうやら手のようだ。
「だーれだっ」
「…クソ及川」
「さっすが岩ちゃん!せーいかーい♪」
呆れて声の方を振り向けば、いつものヘラヘラした笑みを浮かべる及川がいた。
「あー、でもクソはいただけないなぁ」
人差し指で岩泉の額をつつきながら不満をもらす。
「ていうかそんなことより!岩ちゃんからデートに誘ってくれるなんて珍しいね!!」
「デートじゃねぇ。大体お前が昨日言ったんだろ?」
「へ?そうだっけ?」
こいつ……。
どうやら自分で言ったことを完璧に忘れていたようだ。
さっさと帰りゃよかった。
片手で頭を抑え怒りを制御する岩泉。
やっと思い出したのか、及川が口を開いた。
「あぁ!そういえばそうだった!岩ちゃんよく覚えてたね!!」
ゴツッ!!
「痛ぁーっ!!」
頭を殴られたようだ。重く響く痛みに悶える及川。
「忘れてたお前が悪い。さっさと行くぞ。」
岩泉はそう言って歩き始めた。
「うぅー…岩ちゃんの鬼ぃー…」
口を尖らせながら立ち上がり、小走りで岩泉を追いかけた。