神喰い

□大量発生注意
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ある朝。

カーテンの隙間から差し込む暖かな陽の光に照らされるソーマ。

「ん…」

眩しさに瞼を開けば自分の隣で見慣れた顔が眠っていた。
ほのかに煙草の独特な香りもする。

この香りは…。

「んな…うおわっ!!」

ソーマは驚き咄嗟にその場を飛び退いた。

ゴンッ

「…………ってぇ」

飛び退いたは良いが、ベッドの上だったことを忘れていた。
床に落ち、あげくの果てには後頭部を思い切りぶつけ、呻き声をあげる。

物音に気付いたのかベッドに残された人物が目を覚ます。

「んあ…おー、ソーマぁ。おはよう」

「何で俺の部屋にテメェがいんだ、リンドウ…」

鍵掛けてたはずだぞ?

隣で寝ていたのは第一部隊隊長の雨宮リンドウだったようだ。

「んー?そりゃあ…」

リンドウはベッドから降りると、ソーマの上に自分の体を重ねる。

「お前を喰べるため…」

リンドウが言い終わる前にソーマの膝がリンドウの腹をとらえた。

「ぐふっ…!」

会心の一撃をくらい、リンドウはその場に崩れ落ちた。
ソーマは倒れるリンドウを横目に立ち上がり、クローゼットへと向かう。
そして何事も無かったかのように着替え始めた。

腹をおさえ今にも死にそうな表情で立ち上がるリンドウ。

「ソ、ソーマ…。どっか、行くのか?」

「ミッションだ。テメェもさっさと準備しろ」

隊長がこんなんでいいのかよ…

半分苛立ち、半分呆れながら返答する。

「はいはーい」

フラフラとおぼつかない足取りでリンドウはソーマの部屋を出ていった。

「…ったく」

調子が狂うぜ。

ソーマは自分の頬を叩き準備に集中した。
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