ハイキュー
□今日恋人になります。
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……何か変だ。
及川は唐突に思った。
駅前に来て三時間がたち、現在二人はファーストフード店にいる。
岩泉は好んで人混みを歩くことはしない。
だから決まって一時間くらい経つと帰っていた。
「ねぇ、岩ちゃん?」
「んー」
「今日は帰らないんだね」
「…帰ってほしいか?」
岩泉は頬杖をつきながら怪訝そうな顔をする。
「そ、そんなわけないじゃん!!」
あわてて否定する。
忘れていたとはいえ、自分で誘ったんだから帰れなんて言えるわけない。
「ちょっと珍しいなぁって」
「………たまには、と思っただけだ」
「そっか」
ヤバい
なんとなく気まずい雰囲気になる。
どうしたものかとそわそわしていると岩泉がふと立ち上がった。
「もう19時だ流石に帰らねぇと」
及川の分もトレイを片付け、及川の襟首を掴んで歩き出す。
「ちょ、まっ…」
「あー、電車の時間が近いな。走るぞ!」
岩泉は走り出す。
及川の襟首を掴んだまま。
「後ろ向きでダッシュなんてむりぃぃぃぃぃいっ!!」