ダミュロン期

□episode4
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一息つく












時計を見れば昼時まではまだ時間がありそうだ



店の中に客はおらず、備品の補充など全て終えてしまったクレアは暇を持て余していた





















今日はいつもと比べ随分暇な日だ



開店時間にはそれなりに忙しかったものの、昼近くになれば客足も途絶えていた



たまにこんな日があるが、こういう日は大体一日中暇だったりする














『ふぁ〜ぁ、暇』






思わず大きな欠伸がもれる






カウンターで頬杖をつきながらこれからのことを考えた



買い出しは今おかみさんが行っているから
少し早いがパンの配達に行ってしまおうか









目を瞑りあたりの音に耳をかたむける












パンを焼いてる音



店の前を荷車が通る音



子供の笑い声



水が流れる音



犬の鳴き声



扉が開く音












目を開ける



店内を見回すが誰も入ってきた様子はない









『?』



(今、扉が開く音がした気がしたんだけど…)



カウンターから離れもう一度店内を見るがやはり人影はない












扉を開いて外を覗く









右を見れば荷車をひく人



左を見れば子供と犬



上からは――
























「貰ったぁっ!!」



得物を持った影












クレアに向かって振り下ろされるそれを横に避けて躱す






「行ったぞ!」



影が叫べば、横からこちらに向かってくるもう一つの影














「やああっ」



こちらもすれ違うように横に避け、ついでに足をかける









「あっ」









バランスを崩された体はそのまま勢いよく浮いて


















「うぎゃっ」「うわっ」



二つの影は折り重なって倒れこむ












ぶつかった衝撃で地面に転がる得物を拾い、二つの頭を叩く



「いてっ」「あいたっ」

『はい、残念でした
 策は悪くなかったけど、ユーリもフレンも連携するならお互いの動きをしっかり考えとかなきゃ』









得物(といってもただの木の棒なのだが)を手の中でくるくると回す



「くっそ〜」



二人の少年が頭を押さえながら起き上がる


















黒髪の髪の長い少年がユーリ・ローウェル






金髪の王子様フェイスの少年がフレン・シーフォ












下町に住む少年たちだ


  
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