。*小説*。

□誕生日に贈るなら。「風佐久」〜短〜
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FFIに向けての練習にはげむイナズマジャパン、彼ら一人一人には部屋が
もうけられている。そんな中、佐久間の部屋にノックなしに開く扉。
「さーっくまっ」
「んあ・・・?風丸か」
「な、なんだよその反応」
あたりまえである。風丸が佐久間に話しかける前の掛け声は
決まってコレだから、佐久間はそれに気づいているからである。
「で?」
「え?」しばし硬直
「なんの用なんだ?早く読書にもどりたい」
「えっと・・・特になにもない!!」
「・・・失せろ」
「まっ!まてって!!あるあるある!!!!なに読んでんのかなぁって!」
「これのことか?」
風丸の目の前にさしだされた本、それを見る限りどうやら推理小説のようだ。
「へ〜・・・佐久間こんな難しいの読むのな」
「まぁ・・・」
ぱらぱらめくってみたが挿絵などなく文章ばかりの本。
そんな小説なだけに風丸は目を細めることしかできなかった。
沈黙。ただ沈黙の時間に
「・・・あ」
佐久間が口を開いた
「ん?」
「きゅおっ・・・!!!」
「は?・・・」
いつもハッキリと物事を伝える佐久間が噛んだ姿に目を丸くすることしかできなかった。
やがて落ち着きをもどした佐久間は
「今日・・・さ、何の日だか知ってる?」
「え、今日?」
「あぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「え、わかんねぇ」
「・・・っ!!!!!!!」
顔を赤らめた佐久間は急に席を立ち
「し、しっらねぇぇぇ!!!!ばぁぁぁかっっ!!!!!!」
「え、おい佐久間!!!」
走り去った。

「・・・お〜い」
走り去った佐久間はどうやら鬼道の部屋に行ったあとまた自分の部屋に
もどってきたらしい。(途中、不動に赤い顔をからかわれ殴ってったらしい)
「・・・お〜いってば」
もどってくるだろうと分かったのか風丸はずっと佐久間の部屋にいたらしい。
必死に機嫌をなおそうとする風丸だったがムリそうだ。
「・・・ふぅ」
「?」
「よいしょっと」
「!?」
風丸は立ち上がると後ろから佐久間を抱きしめてみた。
すると
「っ〜〜〜〜〜!!!!」
顔をまた赤くした佐久間はこう訴えた。
「いっつもこーゆーことしてくれるクセに!!!なんで分かんないんだよ!!」
「は・・・?」
「ほっ本気でおおおお怒りたくてもそうゆうことするから!!」
「え・・・?てか、なんで怒ってんの?というか怒ってたの?照れてたんじゃなかったの?」
「うぐ・・・  ああぁ〜〜!!もう!」
佐久間も無理矢理立ち上がり
「今日な!俺の誕生日なんだって!!!!!!」
「え・・・?・・・・・・えっええええぇぇえぇぇぇぇぇええ!!!??」
「気づいてくれなかったんだな・・・!前教えたのに!!」
「や、マジで分かんなかったんだって!!!」
「!!!も、もう知らねぇし!!!!」
完全にそっぽむいてしまった。
しばらく悩んだ風丸だったがひらめいたらしく、行動にでた。
「ようは俺が誕生日のプレゼントをあげれば元気になるんだよな?」
「そ、そうゆう問題じゃ・・・っ!!!」
佐久間の言葉が終わるよりも先にそれは突然おきていた。
風丸は優しく両腕いっぱいに佐久間をつつみこんだ。
「な?」
「・・・・・・・・・!!!!!」
佐久間はそこからなにをすればいいのかわからずただ風丸の両腕の
中で立ち尽くした。
「なんだよ、まだ足りないのか?じゃっ」
「!」
佐久間の反応など気にもとめずに、
そっと顔を近づけ優しく、ただ優しく・・・
風丸の唇が佐久間の上唇に触れた。別にキスがうまいわけではない、
ただ優しい。それだけだった。
「どーだっ?」
「う・・・ばか!!!死ね!!!!」
すばやく風丸の体に腕をまわし、顔をうずめながら抱き着いた。
「よかったみたいだな〜」
「うるさ・・・」
「もう一度してもいーぞ?」
「するか!!!」
「あはは かわいー〜〜〜!!」
なんだかんだで嬉しい誕生日になった佐久間は
心のなかでまたひとつ風丸を好きになるのであった。
そんな佐久間を心の底から愛してあげようと思う風丸であった。
・・・そんな二人を影から見つめていた不動が
このことを言いふらすまでそう時間がかからなかったという。
そんな未来も知らずに
二度目のキスをかわす二人だった。

END

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