黒子のバスケ-帝光の女王-

□帝光の女王16
1ページ/2ページ

あの後、私は急いで家へ帰った。
いや…正確に言うと…家の前まで来た。かな?
さっきから何度も家の中へ入ろうと思っているんだけど…足が動かない。
あぁ…やっぱり怖いんだ…もしかしたら…このまま征ちゃんに嫌われたままになるかもしれない。
でも…そうだよ…それは私のせいだ。「赤司くん。」そう呼んだ時…征ちゃん…すごく傷ついた顔をしていた。
ごめん…ごめんね…征ちゃん。

私は一人うつむいていた。気づけばもうドアの前にいた。
ドアを開けようと手を伸ばすと…

ガチャッ

なぜか、勝手にドアがひらく…いや、向こうからあけられたのだ。

私は驚いて前を見ると…そこには…驚いた顔をした征ちゃんが立っていた。

「征ちゃ…」

赤「優花!!!!」

ギュウッ

征ちゃんは私を見た瞬間強く抱きしめてきた。え…なんで…なんで征ちゃんが私を抱きしめているの?あんなひどいこと言ったのに。

赤「優花…良かったよ…心配していたんだよ?」
 
「ごっごめんなさい」

この時、私の我慢していた不安の糸が切れたみたいだ。
私の目からは大量に涙が流れてきた。

「ひっひくっ…ごっごめんな…さい」

征ちゃんはそんな私の頭を優しく撫でてくれた。













あれから少し落ち着いて…私たちはリビングのソファーに座っていました。

赤「優花。今から俺は父さんに聞いたことをすべて話す。最後まできいてくれるかい?」

「うん」

正直、とても怖い。でも、知らなくてはいけないことだ。
逃げてバッカリだったらダメなんだ。

赤「まずは、この写真を見てくれ」

征ちゃんは、一枚のある写真を鞄から取り出した。私は、その写真を見た。そこには、父さん(征ちゃんの父)とさっき会った私の母とその横に私の父らしき人がいた。そして、父さんたちより少し前に座っている赤髪の子供がいる。

「征ちゃん…この子たちは?もしかして…」

私は、写真に写っている2人の子を指差す。

赤「あぁ…俺達だよ。」
 
そう。そこに仲良く座っている2人の子供は私と征ちゃんだった。

赤「優花と俺は、幼馴染だったらしい…でもある理由があって優花は赤司家の娘となったんだ。」

「ある理由って?」

私が聞くと征ちゃんはゆっくりと話しだした。

赤「俺達が出会ったのは…」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ