黒子のバスケ-帝光の女王-
□帝光の女王16
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あの後、私は急いで家へ帰った。
いや…正確に言うと…家の前まで来た。かな?
さっきから何度も家の中へ入ろうと思っているんだけど…足が動かない。
あぁ…やっぱり怖いんだ…もしかしたら…このまま征ちゃんに嫌われたままになるかもしれない。
でも…そうだよ…それは私のせいだ。「赤司くん。」そう呼んだ時…征ちゃん…すごく傷ついた顔をしていた。
ごめん…ごめんね…征ちゃん。
私は一人うつむいていた。気づけばもうドアの前にいた。
ドアを開けようと手を伸ばすと…
ガチャッ
なぜか、勝手にドアがひらく…いや、向こうからあけられたのだ。
私は驚いて前を見ると…そこには…驚いた顔をした征ちゃんが立っていた。
「征ちゃ…」
赤「優花!!!!」
ギュウッ
征ちゃんは私を見た瞬間強く抱きしめてきた。え…なんで…なんで征ちゃんが私を抱きしめているの?あんなひどいこと言ったのに。
赤「優花…良かったよ…心配していたんだよ?」
「ごっごめんなさい」
この時、私の我慢していた不安の糸が切れたみたいだ。
私の目からは大量に涙が流れてきた。
「ひっひくっ…ごっごめんな…さい」
征ちゃんはそんな私の頭を優しく撫でてくれた。
あれから少し落ち着いて…私たちはリビングのソファーに座っていました。
赤「優花。今から俺は父さんに聞いたことをすべて話す。最後まできいてくれるかい?」
「うん」
正直、とても怖い。でも、知らなくてはいけないことだ。
逃げてバッカリだったらダメなんだ。
赤「まずは、この写真を見てくれ」
征ちゃんは、一枚のある写真を鞄から取り出した。私は、その写真を見た。そこには、父さん(征ちゃんの父)とさっき会った私の母とその横に私の父らしき人がいた。そして、父さんたちより少し前に座っている赤髪の子供がいる。
「征ちゃん…この子たちは?もしかして…」
私は、写真に写っている2人の子を指差す。
赤「あぁ…俺達だよ。」
そう。そこに仲良く座っている2人の子供は私と征ちゃんだった。
赤「優花と俺は、幼馴染だったらしい…でもある理由があって優花は赤司家の娘となったんだ。」
「ある理由って?」
私が聞くと征ちゃんはゆっくりと話しだした。
赤「俺達が出会ったのは…」