暇つぶし人生
□12+1の秘密
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「皆の衆、良く集まった」
暗い部屋に響く聲―…。
部屋に一つだけ置かれている玉座に座る青年が、
眼の前にズラリと並ぶ青年達に向けて言葉を発したのだ。
「今日お前達を呼んだのには、勿論理由がある…。
数ヶ月前に感じた強大な小宇宙…」
青年の言葉に、ピクリ…と、身体を強ばらせる青年達。
「新たな敵かと調査をするも、強大だった小宇宙が嘘の様に消えてしまった。
手掛かりがない以上探す事は不可能だったが、
見つけたかもしれん」
青年の「見つけた」と言う言葉に、強ばっていた青年達の顔が密かに歪む。
「教皇、かもしれない≠ニは…一体どう言う意味です?」
青年―教皇の言葉に、青髪の青年が一歩前に出て言葉を発した。
「うむ。実は最近になってある話し≠耳にしたのだ」
「話し…ですか?」
「皆も知っていよう。アテネ市街にあるガラス店…『カロス店』を。
その店に見知らぬ青年が働いているらしいのだ。
しかも、青年が現れたのはあの小宇宙を感じた数日後…」
教皇の言葉に、はっ…!とした顔になる青年達―…。
「おそらく、あの強大な小宇宙は青年のものと見て間違いないだろう…」
「新たな敵、か…」
誰かが呟いたその言葉に、グッ!と拳を握り締める…。
そんな彼らを見て、教皇は不気味に笑った。
「ふっふっふ……お前達、此処で前に言っていた賭けをしないか?」
教皇のニヤニヤ顔に、嫌な予感しかしない…。
しかし、それでも一応…い・ち・お・う、聞かなくてはいけない。
否、教皇から聞きなさいオーラが出ている…。
仕方なく一人の青年が聞いた。
「その、“賭け”…、とは…?」
「フッ…良くぞ聞いた。
前に言っていただろう。
誰が一番男女共にモテるのか≠ニ…。
其処でだ。その青年は敵か味方か判断しなければいけない。
しかし、此方がもし怪しい素振りを見せれば、逃げる可能性がる。
または、此方の動きを見ているのであれば、私達は気付きやすくなる。
と、言う事で…誰が一番に青年を落とせるか賭けをしようではないか!!」
先程までの真剣な雰囲気が一気にぶち壊される…。
「…教皇よ、ついに頭でもおかしくなったか…」
「全員参加な?私は教皇として審判をする」
「おい、無視か?無視なのか??この糞爺…」
海の絵が描かれている服を着る青年の言葉を、教皇であるシオンは華麗にスルーする。
「因みに参加しない者には三ヶ月間教皇宮を掃除してもらうから☆」
バチコーンとウインクをするシオンに、殺意が芽生えたのは…
仕方ないだろう。
そして、聖域―教皇の間で
「〜俺が一番モテるんだぜ☆ 大会〜」
が開催されたのだった…。
ぶっちゃけ真の目的である敵か味方かなど忘れられている…。
―*オマケ*―
「ミロよ…」
「何だ、カミュ?」
「私達聖闘士が関係の無い青年を落すなど…
あってよいのか?」
「…カミュ…」←尊敬の眼差し。
「落すにしろ、やはり場所はスニオン岬だろうか…」
…………。
「…ん?」
「?落すとは崖から落す℃魔セろう?
ああ、岬だから崖とは言わないか…」
「…カミュよ、俺はたまにお前が天然なのか馬鹿なのか分からなくなるぞ…」
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