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□秘めやかな君
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やめようとは思えないけど、友人はどうしても僕にやめさせたいようで…僕を立たせると強引に引っ張ってどこかへ向かっている。
ライトさんのところに行ってるんだと検討がついた時点で、僕の思考はライトさん一色になった。
はじめてライトさんを見たのは一年の夏休み前の廊下でだった。
ただ廊下ですれ違っただけだったけど目を奪われた。
本当に偶然見かけただけの彼女の姿が忘れられなかった。
ライトさんの影をつい探してしまうほど惚けていた僕は友人に、ついライトさんのことを口にしていたようだった。
僕の話を聞いた友人はすぐに、彼女をライトさんだと言い当てた。
その時の僕は名前も知らなかったが、ライトさんはこの学校では有名な女生徒だった。
ライトさんのクラスや、仲のいい友人、部活には所属していないことなどいろいろ聞かされた。
そして最後に、「高嶺の花は見ておくだけにとどめておけ」と釘を刺された。
その言葉を忠実に実行していた僕は、いまでは友人にストーカーの疑いをかけられ、無理矢理ライトさんの元に連行されている。
あぁ…
僕の人生詰んだな。