***

□秘めやかな君
2ページ/5ページ


やめようとは思えないけど、友人はどうしても僕にやめさせたいようで…僕を立たせると強引に引っ張ってどこかへ向かっている。

ライトさんのところに行ってるんだと検討がついた時点で、僕の思考はライトさん一色になった。


はじめてライトさんを見たのは一年の夏休み前の廊下でだった。

ただ廊下ですれ違っただけだったけど目を奪われた。

本当に偶然見かけただけの彼女の姿が忘れられなかった。

ライトさんの影をつい探してしまうほど惚けていた僕は友人に、ついライトさんのことを口にしていたようだった。

僕の話を聞いた友人はすぐに、彼女をライトさんだと言い当てた。

その時の僕は名前も知らなかったが、ライトさんはこの学校では有名な女生徒だった。

ライトさんのクラスや、仲のいい友人、部活には所属していないことなどいろいろ聞かされた。

そして最後に、「高嶺の花は見ておくだけにとどめておけ」と釘を刺された。

その言葉を忠実に実行していた僕は、いまでは友人にストーカーの疑いをかけられ、無理矢理ライトさんの元に連行されている。


あぁ…

僕の人生詰んだな。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ