FF13-2
□磊落
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「遅かったですね、ライトさん」
息ができなかった。
目の前にいる人物に、目を見開くことしかできない。
「なんで、お前がここに…」
やっとの事で出た声は心なしか震えている。
「ライトさんがこっそり出て行くの僕が気付いてないと思ったんですか?」
怪しく笑うホープに目を泳がす。
「だが、私の方が先に」
途中まで言ってやめた。
私は徒歩でここに向かった。徒歩以外で行けばホープが私を追い越すのは簡単だろう…。
私がそのことに気づいたのが分かったのかホープはくすりと笑うと私に手を伸ばした。
その手から逃げようにも私にはそれができない。
毎日ホープから教え込まれている躰はホープの手を求めるように待っている。
ホープの手の中に収まる私は、部屋を見渡す。
争った形跡もないがあの男の欠片も無い。
「あいつなら、お願いして消えてもらいました。」
にこやかにそう言って私の頭に頬を寄せるホープ
「今までのあいつ代わりは、あれね」
扉を開けて入ってきた男は「お初にお目にかかります。ライトニング様」と言い、深々と頭を下げた。
あの男と瓜二つのこの男…。
ホープが創り出した物か。
「お家に帰りましょう。ライトさん」
そう言ってホープは私を抱えて家路につく。
嗚呼、また…
また、彼の手からは逃れられなかった。
また…彼をーーーしまった。