FF13
□節操
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ホープは毎日と言ってもいいほど私の家に来ていた
よく、玄関前で縮こまっているホープに、お前も登録してやると言ったら喜んでいた
それからは、私が家に帰ればホープがいて夕食がつくってあった
それが、何故かホープが全く来なくなった
私の家に来ない日は連絡があったのにそれすらなくなった
親離れ…か
いや、飽きたのだろう
やっぱり、人が自分の元から離れて行くのは何度経験しても悲しいものだな
それからだろうか、私も家に寄りつかなくなった
ホープがいない家に帰るのが怖い
寂しいんだ
ふと目に入った店に入る
カウンターの席に座って適当に酒を注文する
「貴方が、噂の女軍人さんですか?」
酒を出してきた男が、にこやかな笑顔で私を見ている
「噂?女軍人なら沢山いるだろう?私ではない」
「私はそうは思いません。貴方です、貴方しかありえない。私は確信をもって貴方に聞きましたから」
なおも、にこやかな男に私は自分の眉が歪むのが感じられた
「確信?」
「はい、夜になるとピンクブロンドの髪の美女がやってくるそうです。しかも、驚くことにその美女は軍服を着ている。
そして、一度来た店には二度と来ない。」
「そうか、まぁその噂が私であってもなくても関係のない事だ」
やっと酒を一口飲み込む
「そうですね、すみません。私としたことが、嬉しくなって色々と失礼を致しました。」
男はそう言うと、カウンターの中央に向かった
しなやかな男だな
私なんかよりも美人だろ、あの男
何度も浮かんでくる面影を流し込むように酒を飲む
「ホープ…」
飲みすぎですよ、
誰かがそう言ってるのが聞こえた