FF13

□節操
2ページ/7ページ



ホープは毎日と言ってもいいほど私の家に来ていた

よく、玄関前で縮こまっているホープに、お前も登録してやると言ったら喜んでいた

それからは、私が家に帰ればホープがいて夕食がつくってあった


それが、何故かホープが全く来なくなった

私の家に来ない日は連絡があったのにそれすらなくなった


親離れ…か

いや、飽きたのだろう

やっぱり、人が自分の元から離れて行くのは何度経験しても悲しいものだな


それからだろうか、私も家に寄りつかなくなった

ホープがいない家に帰るのが怖い

寂しいんだ



ふと目に入った店に入る

カウンターの席に座って適当に酒を注文する

「貴方が、噂の女軍人さんですか?」

酒を出してきた男が、にこやかな笑顔で私を見ている

「噂?女軍人なら沢山いるだろう?私ではない」

「私はそうは思いません。貴方です、貴方しかありえない。私は確信をもって貴方に聞きましたから」

なおも、にこやかな男に私は自分の眉が歪むのが感じられた

「確信?」

「はい、夜になるとピンクブロンドの髪の美女がやってくるそうです。しかも、驚くことにその美女は軍服を着ている。

そして、一度来た店には二度と来ない。」

「そうか、まぁその噂が私であってもなくても関係のない事だ」

やっと酒を一口飲み込む

「そうですね、すみません。私としたことが、嬉しくなって色々と失礼を致しました。」

男はそう言うと、カウンターの中央に向かった


しなやかな男だな


私なんかよりも美人だろ、あの男


何度も浮かんでくる面影を流し込むように酒を飲む




「ホープ…」

飲みすぎですよ、

誰かがそう言ってるのが聞こえた
 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ