FF13-2
□磊落
2ページ/4ページ
まだ、朝陽の登る前に目を覚まし隣に眠るホープを見て息を吐く。
必ず…
「幸せにしてやるから」
ホープの頬を撫でそこに口づけを落とすと着替えを済ませ足早に家を出る。
ホープが実は起きて「もう…ライトさん」と頬を染めた後、ホープも足早に家を出たのを私は知らない。
目の前にはどっしりと厳格さを感じさせる門。
あの男の関わるものには全てそんな雰囲気が感じ取れる。
堂々とその門をこじ開けて建物の中へと足を踏み入れ
此の国なかでも、発言力のある男。
国の法を司る男だ。
そんな男のくせに何故かこんな私を取引材料にするんだ。
腹が立つ。
「絶対に、従わない。」そう思っていたが、ホープを掛け合いに出されると私は押し黙るしかなかった。
ホープは此の国の政治を司る男だ、彼に悪評はつけられたくはない。
それに、ホープの為になることならば、私は喜んでこの身を差し出そう。
常にそう思っていた私の心を知ってか、あの男の思惑通りこの取引は迅速に執り行われた。
ホープには何も話していない。ホープが幸せになる過程など話さなくても大丈夫…だから、幸せになればいいんだ。
セラには…違う男のところに世話になるとだけ言っておいた。
セラも怒るだろうな…。
そう思いながら、あの男が待つであろう部屋の扉を開ける。