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□所有物
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僕の専属はいつまで経っても、僕を見ることはないんだー
「…ねぇ、そろそろ休憩しない?」
勉強をはじめてから3時間たった、
さすがに疲れてきて
集中力もない
「ですが…まだ今日の坊ちゃんのノルマは終わっておりません」
彼女は、僕を苛つかせる
「その呼び方やめて」
僕はもう“坊ちゃん”と呼ばれる歳じゃない。
それなのに、何度注意しても呼び方を改めることはない
僕のメイド
ーライトニングー
幼い頃に仕事で忙しかった父と母が、
僕の世話係にと連れてきた女だ
その女は僕を見ると、
「ライトニングと申します。これから、坊ちゃんの世話係を担当させて頂きます。どうかよろしくお願いします。」
と、だけ言って頭を下げた
この広い屋敷には僕と関わろうとする人間なんて居なかったから
僕に与えられたライトニングに喜んだ
すぐに幼い僕は、母親に抱く想いと似たような物を胸に感じていた
ライトは僕の側にずっといた
勉強は勿論。
食事や、着替え、いっしょにテレビも見た。
有り余る金でゲームを買って対戦もした、
二人で寝ることも当たり前だった。
……その…小さい時は、…ふ、風呂も。